鮫ちゃん、君の名前を聞かせて


「鮫ちゃん、朝ご飯食べた?」


キッチンを確認する限り、綺麗だから食べてないと推測。

ゴミ箱も空っぽ。


「食べてないんだね、俺も腹減ってんのよ。どうしよっか、コンビニで何か買って来ようか?」


すると、鮫ちゃんは野菜室からバナナを出した。


「え、朝ご飯それだけ?…俺は足りないから、買ってくるね」


しっかり変装して、コンビニへと出かける。

彼女は…喋れるけど喋らないのか、全く喋れないのか、どっちなんだろうか。

会計を済ませて家に戻る。

鍵が開いている。


「鮫ちゃんただいま。世の中物騒なんだから、鍵閉めておきな」


余計なお世話だったかな…。

そう思っていると、鮫ちゃんは棚をごそごそして、合鍵を渡してきた。


「え…いいの?」


同居人として認めてくれたような気がした。

そう思っていると、服をクイクイっと引っ張ってきた。


「え、何?」


彼女だったら、構って構って!かもしれないけど…そうじゃないのは分かる。

昨日と同じ服。


「もしかして…臭い?これ」


自分で嗅いでみて、確かに生乾き臭が…。


「え、で、何?」


まだ、無表情の鮫ちゃんから真意は読めない。