鮫ちゃん、君の名前を聞かせて


翌朝。

体勢は変わらず、鮫ちゃんを抱き寄せたまま眠っていた。

彼女は冷凍睡眠したように、綺麗な寝顔で。

なんて眺めていると、ゆっくり目を開けた。

相変わらず無表情のまま。

表情豊かなアイドルの俺と、真逆だな。

横にいる俺に驚くこともなく、起き上がって、俺の服をパンパンと叩いていた。

さすがに乾いてるだろう。


…何でだろう、帰りたくない。

まだ、鮫ちゃんといたい。


「鮫ちゃん。まだ…俺、ここにいたい。ただいまって言える所、ここがいい」


同居したい。

放っておくことができないと思った。

関わってしまった以上、手離したくなかった。

彼女はゆっくり瞬きした。


「それは、肯定と取っていい…?」


それ以上の反応はしてくれなかった。


「1回、家帰るね。荷物持って、戻ってくる」


服を着ながらそう言った。

今日が休みで良かった。


3時間後くらい、服等を持って鮫ちゃんの家に戻ってくる。

ベッドの横が、俺の荷物場所になった。


「鮫ちゃん、ほんとに良かったんだよね?今更だけど」


彼女に、はいもいいえもなさそうだ。

好きも嫌いも。