鮫ちゃん、君の名前を聞かせて


雨は一向に降り止まない。

止んだところで、俺は下着姿で外を歩くことになる。

週刊誌に撮られて休業を余儀なくされる。


時計は23時を指している。

彼女は欠伸をして、眠そうだ。

そんな時間、か。

そう思っていると、彼女はソファに横になって、クッションを抱え、眠りにつこうとした。


「え、そこで寝るの?!ベッド無いの?」


俺はキョロキョロする。

奥の部屋に大きめのベッドがある。


「眠過ぎて動けないの?鮫ちゃん」


名前が分からないので、とりあえず鮫ちゃんと呼ぶことにした。


「鮫ちゃーん、俺がソファで寝るよ…?」


目を開いた鮫ちゃんは、目を伏せた。

どうしたんだろう。

何か言いたげだけど、彼女は喋らない。

鮫ちゃんの前にしゃがみこんでみる。


「なぁに?」


思ったより顔が近くてドキッとした。

それでも鮫ちゃんは、無表情で普通にしてる。

そう思っていると、鮫ちゃんはベッドを指差した。


「ん?」


意味が取れなかった。

初めての俺に対する能動的な動きだったけど、意図が読めなかった。

…ん?

ベッドで寝ろってことか?


「ベッドで寝ろってこと?それで鮫ちゃん、ソファで寝るの?いやいや、そんなことできないよ!」