鮫ちゃん、君の名前を聞かせて


シャワーから出て、用意してくれたタオルで体を拭く。

柔軟剤の香りが心地良かった。

さて…着替えはどうしよう。

下着は濡れていないけど、服はビシャビシャ。

考えるより先に、髪乾かすか…。

髪を乾かし、また考える。

いっか!

下着姿でも動じなさそうだし、あの子!

俺は思い切って下着姿でリビングへ向かった。

案の定、彼女は無表情で顔色1つ変えやしない。


「シャワー貸してくれてありがとね!」


俺の目をじっと見つめるが、特に反応はない。

そのうち、目線を逸らして目を伏せた。

そしてキッチンへ行って、お茶を注いでくれた。


「ありがとう!」


彼女は俺が来てからいつまでも無表情で無口だ。

脱衣所に彼女は向かった。

コップを置いて様子を見に行くと、俺の服と靴下を持ってこちらに来た。


「え、何?」


洗濯物を干す所に干しだした。

乾かしてくれるのか…。

何から何までしてくれる、もしや俺のファン?!


「君、俺のファンだから声出ないみたいな感じ?」


干し終わった彼女は俺を一瞥して、目線を逸らした。

1mmも表情は変わらない。

うん、なんか違うっぽい。