それは当然。
失恋に近づく度、れねのアルコール量は増えていった。
こんな水分取れない、と言うような数のお酒を買い、リビングで飲む。
「さいってい。僕に悪影響。さいってい。」
空になった沢山の空き缶を見て、ダイニングでカップ麺を作りながら、慶太が呟いた。
「だって、うちに来るなんて聞いてないもん」
すでに呂律の回らなくなった舌で、れねが酔っ払い特有のテンションで言った。
「最低。この酔っ払い。酒かす。」
「酒かすってふわふわして気持ちよさそう」
「あのねえ」
慶太はカップ麺を置いてソファのれねの前に来ると、突然、グーにした左手をれねの頭にゴツンと落とした。
「打ったよ」
目をまん丸にしてれねが言った。
慶太はしかめっ面で。
「だから?。お酒辞めます。はい、復唱」
れねは虚ろな目で慶太を見上げていたが、やがて言い出したのはこうだった。
「慶太、酒かすって多分酒の精霊だよねえ。」
「馬鹿言わないで。20になる前から酒で体壊してどうすんの。まったく。馬鹿じゃない?」
れねは新しい缶の蓋を開けながら、にへら、と笑った。
