使い捨てるつもりで送り出されたはずが、結果として〝最も利益を生む駒〟になっている。今じゃ娘まで摺り寄せてくるなどと。
だが、それを誇る気にも、抗う気にもなれなかった。
ここで生き残るために必要なのは、ただ結果を出すことだけだったからだ。
そして――。
『そろそろ戻ってきてくれないか』
五年後、京極からの連絡は突然だった。
『向こうでの働きは聞いている。十分に役に立った。今度はこちらで働いてくれないか。報酬はいくらでも払う』
切り捨てる者の声ではない、懇願に近かった。
悠醐はただ、海外の暮らしに飽きただけで、日本に戻ることを決めた。
しかも、一度は失った恋人が目の前に現れるという、奇想天外なシナリオが用意されていた。
(一葉は、篠宮の姓を名乗っていたな。神城に捨てられたんだろう)
篠宮家が没落したと、この間知った。この事件と、自分とが関わっているのは安易に想像できたが、悠醐は見て見ぬふりをした。
・・・

