敏腕パイロットは空の上のシェフを愛す~愛おしい双子を添えて~



甘い口づけを交わしながら、ベッドルームにやってくると、久登はふいに彼女の手を引いて、その場にそっと寝かせた。
上唇から、下唇、そして顎……首筋、流れるようにして彼は皮膚にキスの痕跡を残していく。まるで、全身自分のものだ、というような仕草で。

「この四年間、誰かと付き合ったりしたことは……?」

花梨の着ていたシャツのボタンを脱がし、胸元に唇を当てがいながら久登は尋ねる。
急な独占欲が滲んだ質問に、彼女の身体がじんわりと熱を帯びた。

「いいえ……男性とどうにかなるなんて、考えたこともありませんでした。心の片隅にはずっと、あなたの存在があったし」
「……本当に?」

久登は花梨のブラジャーのホックを外したのと同時に、視線を上げた。彼の瞳は普段通り冷静だったが、その奥に微かに歓喜の光が宿っている。

「嬉しいよ、花梨。君はとても美しいから、絶対に男はほうっておかない」
「そんなことな……あっ……!」

久登は花梨の胸をふいに揉みしだき、色づいた実に吸い付いた。
花梨は体を弓なりに反らし、久登の愛撫にもだえる。

(そんなの、私なんかより、久登さんの方が……女性はほうっておかない)

今日一日、彼がどれほど、多くの人の視線をかっさらい、そして興味を持たれる存在なのか、嫌でも痛感させられた。冗談ではなく、彼の方が異性に狙われている立場だろう。

だから、今日はそんな彼の横を歩いて誇らしい気持ちにもなり、同時に、不安や嫉妬にもかられた。自分の中に、忘れていた久登への独占欲を思い出す。
恋人期間は皆無で、すでに人の親になった自分たちだが、花梨は久登のことを完全に〝父親〟としては見られない。まだ、恋をしている。

以前よりももっと、恋焦がれる存在になっているのだ。
現に、久登に触れられて信じられないくらい体が反応している。主な性感と言われる部位ではない、手の甲や膝などでも、彼の唇が触れると過剰に体が震え、足と足のあわいからとろりと蜜が溢れだすのだ。
久登はその蜜を一滴も残らず味わうごとく、舌を這わせ、花梨に嬌声を上げさせるのだった。

「久登さん……声……子供たち起こしちゃう」