振り絞るような声が聞こえた瞬間、そっと壊れ物を扱うように優しく体を包み込まれる。
彼の速くなった心臓が、生地越しに伝わって、花梨の鼓動も一層高まっていく。
『……好きなのに、なぜ泣く? 俺はこんなにも嬉しいのに』
久登の声は切なさの中に、確かに喜悦の響きが含まれているような気がした。
花梨は硬い胸板から顔を上げると、」すぐそばで視線が絡んだ。
かすかな彼の吐息が唇を撫で、息が止まりそうになる。
『……本当に好きなんだ、花梨のことが』
その瞬間、花梨の張り詰めていた緊張の糸が途切れる。
の熱い眼差しに押されるようにして、彼の腕を握る力を強めた。
『久登さん……私もあなたのことが、大好きです』
小さく震えるような声で告げると、代わりにそっと彼の柔らかい唇が重なった。
花梨の緊張を溶きほぐすかのように、何度も、何度も、淡いキスが落とされる。
花梨は久しぶりのキスに、呼吸の仕方も忘れてしまった。ただ、久登の腕にしがみついて絡みつく舌を受け入れる。
ふたりは、自然の流れるままベッドへと沈んだ。
今までただの店員と客という関係で、それ以上でもそれ以下でもないように装っていた。
その期間が長かった分、求める熱量が大きい。
『花梨の顔、こうしてちゃんとまっすぐ見たかった。でも、君がいつも綺麗すぎて……』
『久登、さん』
一糸まとわぬ姿でベッドの海で絡まりながら、久登は自分の下でもだえる花梨に熱視線を送る。
いつもはポーカーフェイスで、何を考えているのか分からない。
彼の本当の気持ちなど、壁が何重にもある先に見えるものばかりだと思っていた。
それが今はどうだ。まっすぐに自分だけを見て、思いの丈をぶつけてくる。
こんなにも、情熱的で愛情深い彼が眠っているなんて、夢にも思わなかった。
『花梨、好きだ。誰にも渡さない』
『ひさとさん…………』
体の深い場所で沈んだ彼が、もっともっとと花梨の肉体を、心を求めてくる。
その情欲迸る動きに、彼女の身体は燃えるように熱せられ、そして愛に溺れた。
(私だって、ずっとあなたに見てほしかった……)
空が白むまで互いを求めあった後、ふたりは自然に体を寄せ合う。
ブラインドからは淡い陽光が滲み、久登の引き締まった肢体を優しく照らしていた。
『久登さんが、私の料理を気に入ってくれて、母も喜んでいると思います』
彼の速くなった心臓が、生地越しに伝わって、花梨の鼓動も一層高まっていく。
『……好きなのに、なぜ泣く? 俺はこんなにも嬉しいのに』
久登の声は切なさの中に、確かに喜悦の響きが含まれているような気がした。
花梨は硬い胸板から顔を上げると、」すぐそばで視線が絡んだ。
かすかな彼の吐息が唇を撫で、息が止まりそうになる。
『……本当に好きなんだ、花梨のことが』
その瞬間、花梨の張り詰めていた緊張の糸が途切れる。
の熱い眼差しに押されるようにして、彼の腕を握る力を強めた。
『久登さん……私もあなたのことが、大好きです』
小さく震えるような声で告げると、代わりにそっと彼の柔らかい唇が重なった。
花梨の緊張を溶きほぐすかのように、何度も、何度も、淡いキスが落とされる。
花梨は久しぶりのキスに、呼吸の仕方も忘れてしまった。ただ、久登の腕にしがみついて絡みつく舌を受け入れる。
ふたりは、自然の流れるままベッドへと沈んだ。
今までただの店員と客という関係で、それ以上でもそれ以下でもないように装っていた。
その期間が長かった分、求める熱量が大きい。
『花梨の顔、こうしてちゃんとまっすぐ見たかった。でも、君がいつも綺麗すぎて……』
『久登、さん』
一糸まとわぬ姿でベッドの海で絡まりながら、久登は自分の下でもだえる花梨に熱視線を送る。
いつもはポーカーフェイスで、何を考えているのか分からない。
彼の本当の気持ちなど、壁が何重にもある先に見えるものばかりだと思っていた。
それが今はどうだ。まっすぐに自分だけを見て、思いの丈をぶつけてくる。
こんなにも、情熱的で愛情深い彼が眠っているなんて、夢にも思わなかった。
『花梨、好きだ。誰にも渡さない』
『ひさとさん…………』
体の深い場所で沈んだ彼が、もっともっとと花梨の肉体を、心を求めてくる。
その情欲迸る動きに、彼女の身体は燃えるように熱せられ、そして愛に溺れた。
(私だって、ずっとあなたに見てほしかった……)
空が白むまで互いを求めあった後、ふたりは自然に体を寄せ合う。
ブラインドからは淡い陽光が滲み、久登の引き締まった肢体を優しく照らしていた。
『久登さんが、私の料理を気に入ってくれて、母も喜んでいると思います』


