好きになった人は、みんなのアイドルで 3

「今、電話できる?」

「できるよ」

返すとすぐに電話がかかってくる。

「土曜、バイト代わってもらえたからゆっくり会えるよ」
「日曜はごめん、午後からどうしても受けたいレッスンあるんだ」
「だから、金曜の午後から、日曜の午前までだけど」

「時間つくってくれてありがとう」
無理矢理にでも行くって言って良かった。
ちゃんと休んでくれる。

「……シフト、店長に相談してちょっと減らすことにした」

「え?」

「俺、ちょっと頑張りすぎてた、かも」

「うん」
「頑張りすぎちゃうとこも含めて好きだけど」
「心配だから」

「ありがと」
「でもレッスンは、ごめん、受けたいのたくさんあるんだ」

「うん、良いと思う」

私が肩の力抜けたから、悠太郎くんも少し楽になれたかな。
確かに、私たちはいつもお互いのことでいっぱいになってしまう。

「ごめん、これからはちゃんと連絡もするから」

「寝落ち禁止だからね」

「ごめん」
悠太郎くんが本当に申し訳なさそうな声を出す。

「悠太郎、大好き」

「……伝家の宝刀みたいなの、やめてよ」

二人で笑う。

「来週楽しみにしてる」

「あ、家に泊まりなよ」
「お金もったいないし」

「……そんな、家族でもないのに、申し訳ないよ」

「うちの家族ね、もう家族として紬のこと迎える気満々だよ」

「なにそれ」

恥ずかしかったけど、嬉しかった。
……でも、ほんとにいいのかな。