好きになった人は、みんなのアイドルで 3

「紬、そろそろ帰るよ」

目を覚ますと、悠太郎くんが顔を覗き込んでいる。

「……え、ごめん、寝ちゃってた」

びっくりした顔で皆を見ると、やっぱりニヤニヤしてる。
……ねえ、なんで。

ーー
「私たち二次会行くわ」
「悠太郎、紬ちゃんのことよろしくな」
「またねー!」

3人は反対方向に歩いて行く。

「紬、帰れる?おんぶしよっか?」

「大丈夫。帰れる」

手を繋いで駅に向かう。
久しぶりの、悠太郎くんとの帰り道。

「……他の男の前で、お酒飲まないで」
「……お願い」

「え?大丈夫だよ、今日はちょっと飲みすぎちゃっただけ」
「……悠太郎が、いるから」
頑張って、呼び捨てにしてみる。

「無理に呼び捨てしなくてもいいよ」
……皆の前では、あんなに意地悪だったのに。
「……今日、可愛すぎて、どうにかなりそうだった」

「……え?」

「居酒屋でキスするのとか、ダメだよ」

目を逸らす悠太郎くんの耳が赤い。

繋いだ手を引っ張って、耳元で囁く。
「悠太郎、大好き」

「……紬、それ反則」

家に帰ったら、いっぱいくっつきたい。
今まで離れてた分、いっぱい。