好きになった人は、みんなのアイドルで 3

「ねえ、最近悠太郎と連絡取ってる?」
蓮くんに学食で話し掛けられる。

「全然連絡来ない」
「忙しいのかな」

「……なんかさ、違ったらアレなんだけど」
蓮くんが言いにくそうに話し始める。
「悠太郎、日本にいるのかも」

「……え?」

「なんかさ、俺の母親が悠太郎っぽい人見かけたって」
「あ、俺の実家と悠太郎の実家めっちゃ近所なんだけど」

……悠太郎くんが、日本にいる?

何も言ってくれなかった。
……どうして。

ハッとして、悠太郎くんから聞いていた事務所の名前を検索する。

韓国語の記事が何件かヒットする。
急いで翻訳する。

『経営難 新人グループのデビュー計画も白紙に』

「……これ、かも」
蓮くんに見せる。

「……俺らに、言えなかったのかな」
「でも、紬ちゃんには言えよな……」

「悠太郎くんの実家の住所教えて」
考える前に口から出ていた。
「今すぐ教えて」

「え、紬ちゃん、行く気?」

「次の授業サボって行けば、今日行って帰って来れる」

「行ってどうすんだよ」
「……悠太郎は、会いたくないのかもしれないじゃん」

「……会ってくれないかもしれないけど」
「分かんない、でも、会いに行かなきゃいけない気がする」

「ごめん次の授業サボるね」
とだけ栞にLINEして、駅まで走った。