好きになった人は、みんなのアイドルで 3

「忙しいところごめんね」
「卒検受かったよ!」
「あと学科試験受けたら免許取れる!」

1週間返信が来てなかったけど、悠太郎くんにLINEする。

……デビュー前で忙しくしてるのかな。
寂しいけど、頑張ってほしい。
支えられるように、もっと強くなるから。

ーー
「お世話になりました」
教官とスタッフさんに、海斗くんと挨拶をして帰る。

他愛ない話をしながら駅まで海斗くんと歩く。
……これも、最後か。やっぱりちょっと寂しい。

「ねえ、最後に飯とか行こうよ」

少し迷った。
海斗くんと、もっと話したかった。

……でも、悠太郎くんは、きっと嫌がる。

「……ごめん、行かない」

「そっか」
「彼氏、紬ちゃんにめっちゃ愛されてんな」

海斗くんが笑うから、私も笑う。

「うん、めっちゃ好きなの」
「会えなくても大好き」

「そっか」
海斗くんが、少し寂しそうな顔をした気がした。

「いつか、またどこかでね」
笑って手を振る。

「うん、またどこかで」
「路線一緒だし、会うかもしれないけど」

「そしたら声掛けてね」
「私も掛けるから」

バイバイと手を振って別れる。
……連絡先くらい、交換すれば良かった。