月下ノ姫

海未「怖かった……」

震える声

海未自身、 こんな風に感情を出すのは珍しかった

伊吹たちは、 静かにその様子を見守っている

伊織は小さく息を吐く

そして

伊織「……海未」

そっと、 海未の頬へ触れた

反射的に、 海未の肩が震える

だけど伊織は、 すぐに手を離そうとした

無理に触れたくなかったから

その瞬間

海未「……待って」

伊織「!」

海未が、 伊織の手首を掴んだ

海未「……伊織なら平気」

静かな声

だけど、 その意味は大きかった

人に触れられるのが苦手な海未が、
自分から拒まなかった

伊織の理性が、 本気で危ない