月下ノ姫

だが

──グラッ

視界が揺れる

海未「っ……」

倒れかけた身体を、 誰かが支えた

伊織「……ほら」

海未「……ありがと」

伊織は何も言わない

ただ海未の肩を支える手だけ、 やけに優しかった

夜叉総長は、 そんな二人を黙って見ていた

胸の奥が、 妙にざわつく

気に食わない

だけど

海未が伊織を見る目は、 少しだけ特別だった

夜叉総長「……チッ」

小さく舌打ちをする

その時

雅臣「騒がしいな」

低い声が響いた

全員が振り返る