月下ノ姫

伊織「……無茶すんな」

小さく、 海未の十字ピアスへ触れた

海未の肩が僅かに揺れる

人に触れられるのは苦手

だけど

伊織だけは、 少し違った

海未「……分かった」

その答えに、 伊織は少しだけ目を細める

だけど心の中では、 全然落ち着いていなかった

夜叉

あの総長

海未を見る目

全部が気に食わない

伊織は静かに拳を握る

──海未は渡さない

その感情だけが、 どんどん大きくなっていた