月下ノ姫

海未「?」

雅臣「あいつ、お前を狙ってる」

伊織の空気が、 一瞬で冷える

隼人も眉を寄せた

海未は無表情のまま

海未「別にどうでもいい」  

伊吹「そういう問題じゃねぇだろ」

流生「姫狙うとかムカつくんだけど」

海未「騒ぎすぎ」

海未が淡々と言うと、 雅臣は小さく息を吐いた

雅臣「……海未」

その声だけ、 少し優しかった

雅臣「お前はもっと、自分を大事にしろ」

海未「……」

その言葉に、 海未は少しだけ目を伏せる

自分を大事にする

そんなこと、 考えたこともなかった

昔から、 生きるだけで精一杯だったから

沈黙を破ったのは、 伊織だった

伊織「……海未は俺が守る」