そんな賑やかな空気の中。
ふいに陽貴くんが私をちらっと見た。
「……まぁでも」
「大阪行ったらほんと気をつけてね」
「え?」
「紗凪、天然だから」
その言葉に、私は思わず目を瞬く。
「天然じゃないよ?」
「いや天然」
「天然です」
「天然だね」
陽貴くんだけじゃなく、奏くんと蒼依くんまで即答した。
「えぇ……」
納得いかない。
すると優朔さんが少し笑いながら口を開く。
「一ノ瀬さん、自分で気づいてないタイプだから余計危ないんだよ」
「そうそう」
蒼依くんが大きく頷く。
「普通に知らない人についていきそう」
「行かないよ!?」
「えー?」
「絶対道聞かれたら最後まで案内しちゃうタイプ」
「それは……時と場合による…」
私が小さく答えると。
「ほらぁ!」
蒼依くんがすぐに反応する。
すると陽貴くんが深いため息を吐いた。
「心配……」
「そんな顔しなくても大丈夫だって」
「いや紗凪、自覚ないから余計心配なんだって」
そう言いながら、陽貴くんが自然に私の頭を撫でる。
その手つきがあまりにも優しくて、少し照れてしまう。
すると。
隣で梓がぽつりと呟いた。
「まぁでも、紗凪は昔から変な人に声かけられやすいよね」
「あー言ってたね」
優朔さんが自然に頷く。
その反応に、私と梓が同時に目を向けた。
「……なんで知ってるんです?」
私が聞くと。
一瞬だけ空気が止まる。
「あ」
蒼依くんがにやっと笑った。
優朔さんが「やば」って顔をした。
梓も少し目を瞬かせている。
「え、なに?」
私は状況が分からなくて二人を見比べる。
すると優朔さんが小さく咳払いした。
「……この前」
「梓ちゃんが酔っ払ってるところにたまたま遭遇して…家まで送ったんだ。その時に梓ちゃんが''私は紗凪みたいに変な人に声かけられたりしないから心配しないでー!''って割と大きめの声で喋ってたから」
苦笑いしながらそう言った。
梓の顔が一瞬で赤くなる。
「言わなくていいわよ…っ!」
梓は気まずそうにジュースを飲む。
でもその横で、蒼依くんが完全にニヤニヤしていた。
「え、送っただけ?」
「それだけ?」
「蒼依うるさい」
優朔さんが低い声で返す。
けど。
そのタイミングで、梓のグラスが空になっていることに気づいた優朔さんが、何も言わず自然に飲み物を注いだ。
あまりにも自然な動き。
梓もそれを当たり前みたいに受け取る。
その瞬間。
私と奏くんが同時に顔を見合わせた。
「あ……」
思わず声が漏れる。
すると梓が「なにその顔」と少し照れたように眉を寄せた。
でも。優朔さんを見る目が、前よりずっと柔らかい。
優朔さんも、そんな梓へ向ける視線がどこか優しい。
——あれ。
この二人、思ってた以上に距離近くなってる。
そう思った瞬間。
なんだかすごく嬉しくなった。
「……へぇ」
陽貴くんまで意味深に笑う。
すると優朔さんが即座に睨む。
「お前その顔やめろ」
「いや別に?」
「絶対なんか思ってる」
そのやり取りに、また部屋の中が笑いに包まれた。
大阪へ行く寂しさは、きっと簡単には消えない。
でも。
こうして笑い合える場所がある。
帰ってきたいと思える人たちがいる。
そのことが、すごく心強かった。
ふいに陽貴くんが私をちらっと見た。
「……まぁでも」
「大阪行ったらほんと気をつけてね」
「え?」
「紗凪、天然だから」
その言葉に、私は思わず目を瞬く。
「天然じゃないよ?」
「いや天然」
「天然です」
「天然だね」
陽貴くんだけじゃなく、奏くんと蒼依くんまで即答した。
「えぇ……」
納得いかない。
すると優朔さんが少し笑いながら口を開く。
「一ノ瀬さん、自分で気づいてないタイプだから余計危ないんだよ」
「そうそう」
蒼依くんが大きく頷く。
「普通に知らない人についていきそう」
「行かないよ!?」
「えー?」
「絶対道聞かれたら最後まで案内しちゃうタイプ」
「それは……時と場合による…」
私が小さく答えると。
「ほらぁ!」
蒼依くんがすぐに反応する。
すると陽貴くんが深いため息を吐いた。
「心配……」
「そんな顔しなくても大丈夫だって」
「いや紗凪、自覚ないから余計心配なんだって」
そう言いながら、陽貴くんが自然に私の頭を撫でる。
その手つきがあまりにも優しくて、少し照れてしまう。
すると。
隣で梓がぽつりと呟いた。
「まぁでも、紗凪は昔から変な人に声かけられやすいよね」
「あー言ってたね」
優朔さんが自然に頷く。
その反応に、私と梓が同時に目を向けた。
「……なんで知ってるんです?」
私が聞くと。
一瞬だけ空気が止まる。
「あ」
蒼依くんがにやっと笑った。
優朔さんが「やば」って顔をした。
梓も少し目を瞬かせている。
「え、なに?」
私は状況が分からなくて二人を見比べる。
すると優朔さんが小さく咳払いした。
「……この前」
「梓ちゃんが酔っ払ってるところにたまたま遭遇して…家まで送ったんだ。その時に梓ちゃんが''私は紗凪みたいに変な人に声かけられたりしないから心配しないでー!''って割と大きめの声で喋ってたから」
苦笑いしながらそう言った。
梓の顔が一瞬で赤くなる。
「言わなくていいわよ…っ!」
梓は気まずそうにジュースを飲む。
でもその横で、蒼依くんが完全にニヤニヤしていた。
「え、送っただけ?」
「それだけ?」
「蒼依うるさい」
優朔さんが低い声で返す。
けど。
そのタイミングで、梓のグラスが空になっていることに気づいた優朔さんが、何も言わず自然に飲み物を注いだ。
あまりにも自然な動き。
梓もそれを当たり前みたいに受け取る。
その瞬間。
私と奏くんが同時に顔を見合わせた。
「あ……」
思わず声が漏れる。
すると梓が「なにその顔」と少し照れたように眉を寄せた。
でも。優朔さんを見る目が、前よりずっと柔らかい。
優朔さんも、そんな梓へ向ける視線がどこか優しい。
——あれ。
この二人、思ってた以上に距離近くなってる。
そう思った瞬間。
なんだかすごく嬉しくなった。
「……へぇ」
陽貴くんまで意味深に笑う。
すると優朔さんが即座に睨む。
「お前その顔やめろ」
「いや別に?」
「絶対なんか思ってる」
そのやり取りに、また部屋の中が笑いに包まれた。
大阪へ行く寂しさは、きっと簡単には消えない。
でも。
こうして笑い合える場所がある。
帰ってきたいと思える人たちがいる。
そのことが、すごく心強かった。

