トップアイドルは白衣の天使に恋をするsecond

専用エレベーターで一気に屋上まで駆け上る。

その日出動は5件。

重症外傷。

CPA搬送。

山間部での転落事故などなど重症度が高いものばかりだった。

ヘリを降りた頃には、もう空はオレンジ色に染まり始めていた。

「……っはぁ」

ようやく詰めていた息を吐く。

疲労感がどっと押し寄せる。

ヘリ格納庫から病院へ戻る途中。

「お疲れ」

後ろから缶コーヒーを差し出された。

「梓」

「今日飛びすぎでしょ」

「ほんとそれ」

受け取ったコーヒーが温かい。

梓が私の顔を覗き込む。

「さすがヘリの女王」

「変なあだ名つけないでよ」

「「あははっ」」

私たちは顔を見合わせて笑う。

その時だった。

ブーブー……

スマホが震える。

画面を見る。

『病院着いた』

その文字を見た瞬間。

疲れていたはずなのに、胸がふっと軽くなる。

梓が横から画面を覗いてニヤけた。

「あ、来たじゃん彼氏」

「……うるさい」

「あんたほんと分かりやすいわね〜」

梓に揶揄われる。

でも、口元が緩むのは止められなかった。