森崎side
それから、1週間。
紗凪ちゃんの回復は、目に見えて進んでいった。
最初はベッド起こすだけで息上がってたのに。
今ではリハビリ室まで行って、歩行練習までしてる。
もちろん、まだゆっくりや。
点滴スタンド持ちながら。
途中で休憩も挟みながら。
それでも。
自分の足で歩いてる姿見た時は、ほんまに泣きそうになった。
「森崎さん見てください」
「今日ちょっと距離伸びたんですよ」
そう言って笑う顔が、事故前に少しずつ戻ってきてて。
その度に、胸の奥がじんわり熱くなる。
この1週間。
俺は毎日病室へ通った。
フライト終わり。
ER終わり。
夜勤前。
少しの時間でも顔見に行って。
「また来たんですか」
って梓ちゃんに呆れられて。
「仕事ちゃんとしてます?」
とか言われながら。
それでも結局、気づいたら足が向いてた。
病室行くと、大抵梓ちゃんもおった。
あの子もほんまよう頑張っとる。
知らん地で1人、親友支えて。
それでも病室ではしんどい顔一切せぇへん。
二人で笑ってる時なんか、普通の女の子同士や。
「それ絶対盛ってるでしょ」
とか。
「いやほんとだからね?」
とか。
くだらん話して笑ってる。
その姿見てると、こっちまで安心した。
でも。
時々。
ほんま時々やけど。
紗凪ちゃんが、ふっと静かになる瞬間がある。
携帯が震えた時。
すぐ画面見て。
そのあと、小さく表情が落ちる。
また画面閉じて。
何事もなかったみたいに笑う。
でも。
分かってしまう。
……あぁ。
彼氏くんのこと、待ってるんやなって。
東京戻ってからも、毎日連絡は来てるみたいやった。
テレビ電話もしてるらしい。
でも。
それとこれとは違う。
会いたいんや。
触れたいんや。
そばにいてほしいんや。
その寂しさが、隠しきれてへん時がある。
それ見るたび。
胸が、痛かった。
なんでやろな。
自分でも嫌になるくらい。
その顔見たくなくて。
「次リハビリ頑張ったらコンビニスイーツ買ってきますわ」
とか。
「西国先生、今日めっちゃ機嫌悪かったですよ」
とか。
どうでもええ話して笑わせようとしてる自分がおる。
ほんで。
笑ってくれたら安心して。
でもそのあと、また携帯見つめてる姿見て。
勝手に苦しくなる。
……あかん。
ほんま、あかんわ。
分かってる。
彼女にはちゃんと好きな人がおる。
命懸けで守ろうとしてた男がおる。
それやのに。
心のどっかで思ってしまう。
俺やったら。
俺なら、紗凪ちゃんから離れへんのに。
こんな顔、絶対させへんのに。
どれだけ仕事あっても。
どれだけ立場があっても。
俺なら、そばおる。
そう思ってしまった瞬間。
自分で自分に、呆れそうになった。
最低や。
彼氏くんだって、苦しんでる。
毎日電話してきて。
仕事の合間縫って。
必死に支えてる。
そんなの分かってる。
でも。
それでも。
病室の窓際で、夕焼け見ながら小さく息吐いてる紗凪ちゃん見ると。
抱きしめたくなるくらい、寂しそうで。
俺は静かに視線を逸らした。
これ以上。
好きになったら、あかん。
それから、1週間。
紗凪ちゃんの回復は、目に見えて進んでいった。
最初はベッド起こすだけで息上がってたのに。
今ではリハビリ室まで行って、歩行練習までしてる。
もちろん、まだゆっくりや。
点滴スタンド持ちながら。
途中で休憩も挟みながら。
それでも。
自分の足で歩いてる姿見た時は、ほんまに泣きそうになった。
「森崎さん見てください」
「今日ちょっと距離伸びたんですよ」
そう言って笑う顔が、事故前に少しずつ戻ってきてて。
その度に、胸の奥がじんわり熱くなる。
この1週間。
俺は毎日病室へ通った。
フライト終わり。
ER終わり。
夜勤前。
少しの時間でも顔見に行って。
「また来たんですか」
って梓ちゃんに呆れられて。
「仕事ちゃんとしてます?」
とか言われながら。
それでも結局、気づいたら足が向いてた。
病室行くと、大抵梓ちゃんもおった。
あの子もほんまよう頑張っとる。
知らん地で1人、親友支えて。
それでも病室ではしんどい顔一切せぇへん。
二人で笑ってる時なんか、普通の女の子同士や。
「それ絶対盛ってるでしょ」
とか。
「いやほんとだからね?」
とか。
くだらん話して笑ってる。
その姿見てると、こっちまで安心した。
でも。
時々。
ほんま時々やけど。
紗凪ちゃんが、ふっと静かになる瞬間がある。
携帯が震えた時。
すぐ画面見て。
そのあと、小さく表情が落ちる。
また画面閉じて。
何事もなかったみたいに笑う。
でも。
分かってしまう。
……あぁ。
彼氏くんのこと、待ってるんやなって。
東京戻ってからも、毎日連絡は来てるみたいやった。
テレビ電話もしてるらしい。
でも。
それとこれとは違う。
会いたいんや。
触れたいんや。
そばにいてほしいんや。
その寂しさが、隠しきれてへん時がある。
それ見るたび。
胸が、痛かった。
なんでやろな。
自分でも嫌になるくらい。
その顔見たくなくて。
「次リハビリ頑張ったらコンビニスイーツ買ってきますわ」
とか。
「西国先生、今日めっちゃ機嫌悪かったですよ」
とか。
どうでもええ話して笑わせようとしてる自分がおる。
ほんで。
笑ってくれたら安心して。
でもそのあと、また携帯見つめてる姿見て。
勝手に苦しくなる。
……あかん。
ほんま、あかんわ。
分かってる。
彼女にはちゃんと好きな人がおる。
命懸けで守ろうとしてた男がおる。
それやのに。
心のどっかで思ってしまう。
俺やったら。
俺なら、紗凪ちゃんから離れへんのに。
こんな顔、絶対させへんのに。
どれだけ仕事あっても。
どれだけ立場があっても。
俺なら、そばおる。
そう思ってしまった瞬間。
自分で自分に、呆れそうになった。
最低や。
彼氏くんだって、苦しんでる。
毎日電話してきて。
仕事の合間縫って。
必死に支えてる。
そんなの分かってる。
でも。
それでも。
病室の窓際で、夕焼け見ながら小さく息吐いてる紗凪ちゃん見ると。
抱きしめたくなるくらい、寂しそうで。
俺は静かに視線を逸らした。
これ以上。
好きになったら、あかん。

