結局。
陽貴くんが作ってくれたオムライスは、前と変わらず少しだけ不格好だった。
でも。
「おいしい……」
「ほんとに?」
「うん」
一口食べた瞬間、自然と笑顔になる。
すると向かい側で陽貴くんがほっとしたように笑った。
「よかった……」
「そんな不安だったの?」
「そりゃ不安になるよ」
ケチャップをかけながら少し照れたみたいに言う。
「紗凪、料理上手いから地緊張する」
思わず笑ってしまう。
「十分上手だよ」
そう返すと。
陽貴くんが嬉しそうに笑った。
そんな何気ない時間が、すごく幸せだった。
離れていた時間を埋めるみたいに。
私たちはゆっくりご飯を食べた。
食後。
「アイス買いに行こう」
陽貴くんが突然言い出す。
「え、今から?」
「うん」
その言い方があまりにも自然で、私は吹き出してしまった。
コンビニまで、二人並んで歩く。
帽子とマスクで変装している陽貴くん。
でも隣を歩いてるだけで嬉しい。
コンビニでは。
「何食べる?」
「チョコミント」
「安定だな」
「陽貴くんは?」
「チョコ」
「陽貴くんも安定じゃん」
2人で顔を見合わせて笑う。
そんな会話すら楽しくて幸せで。
アイスを買ってマンションへ戻って二人でソファへ座る。
適当に映画を流した。
でも正直、内容なんて全然入ってこなかった。
最初はちゃんと見ていたはずなのに。
気づけば私は陽貴くんにもたれかかっていて。
陽貴くんは私の髪をずっと触っていた。
「……映画見ないの?」
私が小さく聞くと。
陽貴くんが即答する。
「紗凪の方が見たい」
「っ……」
さらっとそういうこと言う。
ずるい。
私は誤魔化すようにアイスを食べる。
すると。
「一口ちょうだい」
「ん」
スプーンを差し出した瞬間。
そのスプーンを私の口に入れて、ちゅっとキスをした
「ちょっ……」
「ん、おいしい」
「陽貴くん……!」
「なに?」
楽しそうに笑ってる。
完全に遊ばれてる。
でもそんな顔を見ると怒れない。
映画の中では、たぶんクライマックスっぽい音楽が流れている。
私は陽貴くんの腕の中に収まっていて。
背中へ回された手が、優しく撫でてくる。
「……紗凪」
耳元で名前を呼ばれる。
それだけでドキドキする。
「ん……?」
「好き」
また真っ直ぐ。
心臓に悪い。
「……知ってる」
「俺は足りない」
「え?」
「紗凪からも聞きたい」
少し甘えるみたいな声。
そんなの反則。
私は恥ずかしくなって、胸元へ顔を埋めた。
「言って」
低く優しい声。
私はしばらく黙って。
観念したみたいに、小さく呟いた。
「……好き」
その瞬間。
ぎゅうっと抱きしめられる。
「やばい」
「え?」
「今ので半年頑張れる」
「大袈裟」
「全然」
映画が終わる頃には。
アイスは少し溶けていて。
私たちは結局、ほとんど内容を覚えていなかった。
それでもよかった。
ただ一緒にいるだけで。
隣で笑ってくれるだけで。
離れていた寂しさが、少しずつ溶けていく気がしたから。
陽貴くんが作ってくれたオムライスは、前と変わらず少しだけ不格好だった。
でも。
「おいしい……」
「ほんとに?」
「うん」
一口食べた瞬間、自然と笑顔になる。
すると向かい側で陽貴くんがほっとしたように笑った。
「よかった……」
「そんな不安だったの?」
「そりゃ不安になるよ」
ケチャップをかけながら少し照れたみたいに言う。
「紗凪、料理上手いから地緊張する」
思わず笑ってしまう。
「十分上手だよ」
そう返すと。
陽貴くんが嬉しそうに笑った。
そんな何気ない時間が、すごく幸せだった。
離れていた時間を埋めるみたいに。
私たちはゆっくりご飯を食べた。
食後。
「アイス買いに行こう」
陽貴くんが突然言い出す。
「え、今から?」
「うん」
その言い方があまりにも自然で、私は吹き出してしまった。
コンビニまで、二人並んで歩く。
帽子とマスクで変装している陽貴くん。
でも隣を歩いてるだけで嬉しい。
コンビニでは。
「何食べる?」
「チョコミント」
「安定だな」
「陽貴くんは?」
「チョコ」
「陽貴くんも安定じゃん」
2人で顔を見合わせて笑う。
そんな会話すら楽しくて幸せで。
アイスを買ってマンションへ戻って二人でソファへ座る。
適当に映画を流した。
でも正直、内容なんて全然入ってこなかった。
最初はちゃんと見ていたはずなのに。
気づけば私は陽貴くんにもたれかかっていて。
陽貴くんは私の髪をずっと触っていた。
「……映画見ないの?」
私が小さく聞くと。
陽貴くんが即答する。
「紗凪の方が見たい」
「っ……」
さらっとそういうこと言う。
ずるい。
私は誤魔化すようにアイスを食べる。
すると。
「一口ちょうだい」
「ん」
スプーンを差し出した瞬間。
そのスプーンを私の口に入れて、ちゅっとキスをした
「ちょっ……」
「ん、おいしい」
「陽貴くん……!」
「なに?」
楽しそうに笑ってる。
完全に遊ばれてる。
でもそんな顔を見ると怒れない。
映画の中では、たぶんクライマックスっぽい音楽が流れている。
私は陽貴くんの腕の中に収まっていて。
背中へ回された手が、優しく撫でてくる。
「……紗凪」
耳元で名前を呼ばれる。
それだけでドキドキする。
「ん……?」
「好き」
また真っ直ぐ。
心臓に悪い。
「……知ってる」
「俺は足りない」
「え?」
「紗凪からも聞きたい」
少し甘えるみたいな声。
そんなの反則。
私は恥ずかしくなって、胸元へ顔を埋めた。
「言って」
低く優しい声。
私はしばらく黙って。
観念したみたいに、小さく呟いた。
「……好き」
その瞬間。
ぎゅうっと抱きしめられる。
「やばい」
「え?」
「今ので半年頑張れる」
「大袈裟」
「全然」
映画が終わる頃には。
アイスは少し溶けていて。
私たちは結局、ほとんど内容を覚えていなかった。
それでもよかった。
ただ一緒にいるだけで。
隣で笑ってくれるだけで。
離れていた寂しさが、少しずつ溶けていく気がしたから。

