すると今度は橘さんの話になる。
「橘さんは技術高いです」
私が口を開く。
自然と全員の視線がこちらへ向いた。
「観察能力もあります。急変察知も早い。経験を積んでいるだけあって病院内ならかなり動ける人です」
そこまで言って。
私は少しだけ言葉を選んだ。
「でも……」
会議室が静かになる。
「自分なりのこだわりが強い部分と、
“助けたい”が強すぎる分、周りが飛ぶ瞬間があります」
今日のシミュレーションを思い出す。
突っ込んでいった橘さん。焦りに飲まれかけた空気。
でも。
「逆に言えば」
私は静かに続けた。
「そこを越えたら、かなり強いと思います」
森崎さんが小さく笑った。
「一ノ瀬さん、ちゃんと見てるなぁ」
「フライト開始は問題なさそう?」
「はい、フライト開始大丈夫です」
高城先生は静かに腕を組んだままだった。
そしてぽつりと呟く。
「やはり、向き不向きが出始めていますね」
その言葉が、静かに落ちる。
誰も否定しなかった。
フライトは特殊だ。
技術だけじゃない。
知識だけでもない。
冷静さ。
協調性。
判断力。
精神力。
全部必要になる。
だからこそ。
ここから先は、さらに差が出る。
——本当の選別が始まる。
そんな空気が、会議室には漂っていた。
「橘さんは技術高いです」
私が口を開く。
自然と全員の視線がこちらへ向いた。
「観察能力もあります。急変察知も早い。経験を積んでいるだけあって病院内ならかなり動ける人です」
そこまで言って。
私は少しだけ言葉を選んだ。
「でも……」
会議室が静かになる。
「自分なりのこだわりが強い部分と、
“助けたい”が強すぎる分、周りが飛ぶ瞬間があります」
今日のシミュレーションを思い出す。
突っ込んでいった橘さん。焦りに飲まれかけた空気。
でも。
「逆に言えば」
私は静かに続けた。
「そこを越えたら、かなり強いと思います」
森崎さんが小さく笑った。
「一ノ瀬さん、ちゃんと見てるなぁ」
「フライト開始は問題なさそう?」
「はい、フライト開始大丈夫です」
高城先生は静かに腕を組んだままだった。
そしてぽつりと呟く。
「やはり、向き不向きが出始めていますね」
その言葉が、静かに落ちる。
誰も否定しなかった。
フライトは特殊だ。
技術だけじゃない。
知識だけでもない。
冷静さ。
協調性。
判断力。
精神力。
全部必要になる。
だからこそ。
ここから先は、さらに差が出る。
——本当の選別が始まる。
そんな空気が、会議室には漂っていた。

