色恋物語

「えー、できませんよぉ。染井君に
やらせたらどうですかぁーー?」


ギクっと肩を揺らした前の席の方にいる染井くん。


「会議フル無視で皇先輩に


乙女のハートの目しながら


見・て・たあんたに任せる!」



「はぁー!?


性懲りも無く」


短編小説が落ちた。机の角から。



もう何もかも嫌になっちゃって
染井くんに当たりまくる。



「染井〜?


あんたなーんも聞いてなかったよね?」



あたかも地味に座ってる染井まで巻き込もうとする。



フゥ、と息をついた後、



マスク越しになんか言ってくる。


小言だから聞こえやしない。



振り返り気味になって椅子に肘を置いたせいか、尺骨と橈骨がみえ、細いながら筋肉質なのが窺える。


「染井目立ちたがり屋じゃないもんねー


はいはい、私が資・料・室行きますよーー」