色恋物語



「君はーー誰かな?」


皇君から一言。


「染井亮太っていいます……」


皇先輩の背後に隠れてた私はちょこまかと


染井の様子を窺う。


皇先輩にバレないように。


でもバレた。腕を組んでる手が服に擦れたからだ。


「染井君かぁ……みない顔だけど一年生?」


「そうです」


と淡々と語った。


「ラリーでもする?」


「僕にそのような時間はないので……
失礼しま……」


私と目が合った。交差させると
顔色一つ変えずに、


「花井さん、さよなら」


と向こうから名指しで呼ばれたのだった。