貴腐人の憂鬱――鬼上司と犬系後輩に、秘密を握られました――

「課長」

「何だ」

「組み直します」

榊課長の目が、静かに私を捉えた。

「私が、もう一度、流れを組みます。朝、昼、夜を一本の感情にします。真鍋さんのラフも、瀬名くんの写真も、全部つなぎ直します」

言った。

言ってしまった。

でも、言った瞬間、不思議と怖さだけではなくなった。

榊課長は、少しだけ口元を動かした。

「なら、今からやる」

「はい」

「ただし」

来た。

不穏な接続詞。

「会議資料に漫画絵を貼るな」

「貼りません!」

反射で答えた。

榊課長の口元が、ほんのわずかに上がった。

こんな状況で笑わせに来るのはやめてほしい。

心臓の扱いが雑です、課長。