貴腐人の憂鬱――鬼上司と犬系後輩に、秘密を握られました――

「十時の会議で出せ」

「えっ」

「昼の導線案。藤代が説明しろ」

「私がですか」

「お前の見解だ」

「でも、まだラフです」

「だから会議で詰める」

「私の心臓も詰まります」

「詰まるな」

「命令でどうにかなるものでは」

榊課長は、ほんの少しだけ目を細めた。

「無理はするな」

「手は抜くな、ですよね」

「覚えたな」

覚えたくて覚えたわけではない。
鬼上司の決め台詞は、胃に刻まれるのだ。