貴腐人の憂鬱――鬼上司と犬系後輩に、秘密を握られました――

昼休み、私たちは会社近くのリュミエール店舗へ向かった。

駅ビルの一階、改札へ向かう人の流れの端にある店だ。
外から見ると、深いブラウンの木目調で落ち着いている。
看板の金色のロゴは上品だが、たしかに少し近寄りがたい。

「客として見ろ」

榊課長が言った。

「はい」

「仕事の顔をするな」

「難しい注文ですね」

「お前は普段から顔に出ないだろう」

「内臓は大騒ぎしています」

「そうか」

「そこは流すんですね」