貴腐人の憂鬱――鬼上司と犬系後輩に、秘密を握られました――

昼休みになった。

私はいつものように、会社から七分の公園へ向かった。

ベンチに座り、バッグからiPadを取り出す。

画面には、新しいネーム。

実在の誰かそのままではない。
でも、私が好きで見てきたものがちゃんとある。

言葉にしない信頼。
視線の距離。
相手が少しだけ安心する瞬間。

私はスタイラスペンを握り、コマの端に台詞を書き込んだ。

『隣にいるって、言葉より先に分かることがある』

書いてから、少し照れた。

うわ。

これは強い。
非常に強い。
昼休みの公園で書くには、少し糖度が高い。

しかし、甘いものは甘い方がいい。

誰かの声が脳内で再生されて、私は笑ってしまった。