貴腐人の憂鬱――鬼上司と犬系後輩に、秘密を握られました――

その日の夕方、真鍋が私の席に来た。

「藤代さん」

「はい」

「次の展開案、最初に藤代さんの言葉で骨子をください」

「私の、ですか」

「はい。その方が、絵にしやすいです」

短い言葉。

でも、胸に残った。

真鍋が私を、企画の入口として扱ってくれている。

「分かりました。明日の午前中に出します」

「お願いします」

真鍋は淡々と戻っていった。

私は画面を見つめた。

仕事が、動き始めている。

私も、その中で動いている。