貴腐人の憂鬱――鬼上司と犬系後輩に、秘密を握られました――

私は、ベンチから立ち上がったまま、息を吸った。

「……座りませんか」

言ってから、自分で驚いた。

私が誘った。

昼休みの公園で、上司に。
いや、今は上司ではなく、榊さんに。

内臓が総立ちで拍手している。
たぶん肝臓あたりはまだ状況を飲み込めていない。

榊は一瞬だけ私を見て、それから小さく頷いた。