貴腐人の憂鬱――鬼上司と犬系後輩に、秘密を握られました――

打ち上げは、派手ではなかった。

ケーキを食べ、コーヒーを飲み、資料の話をし、次回の本提案に向けての課題を軽く確認する。

完全に仕事である。

でも、いつもの会議室とは違った。

大崎が「藤代さん、今日の説明、よかったね」と言った。

真鍋が「次のコピー展開も、藤代さんの言葉から起こしたいです」と言った。

瀬名が「現場根拠は俺が拾います」と言った。

榊課長が、最後に短く言った。

「このチームで進める」

その言葉が、胸に残った。

このチーム。

私は、補助役としてではなく、その中にいる。

仕事が怖い。

評価も怖い。

人の目も怖い。

でも、今日だけは、少しだけ嬉しい方が勝っていた。