彼女になりたいし彼女になってほしい(仮)

程なくして始まった夏休みはあまりにもつまらない夏休みだった。

杏菜に彼氏ができてからも漫画の貸し出しはしていて、
メッセージのやり取りもしていたが、

夏休みになって漫画の貸し出しが止まって、

漫画以外で杏菜に連絡をとる話題も持ち合わせていなくて、杏菜との関わりが途絶えた。

去年どうやって夏休みを過ごしていただろうか。

…毎日適当に宿題をして、日が暮れるまで漫画を描いたり、絵を描いたり、漫画を読んだり、小説を読んだりしていた。

不満は無く、違和感もなかった。
むしろいつも以上に漫画に没頭できて長期休みは好きだった。

けれど、今年は杏菜に会えなかったりコミュニケーションを取れないことにやきもきする。

杏菜は何をしているんだろう…



…!杏菜ってSNSしてるかな?
彼氏との写真とかSNSに載せてたりするかな…?
それ見てしまったら苦しくなるだろうか…

いや、逆に気になる。

と杏菜のSNSを探すことにした。

同じ高校でフォローしているのが、コチだけなので、
コチのフォロワーから探すことにしたが、

「これだ。」

コチからクラスの男の子のアカウントを見つけ、そのフォロワーに杏菜がいて、ビックリするほどすぐに見つけられた。

フォローしたら、杏菜の迷惑かな…?
フォローせず、24時間で消えてしまうポストだけを見てスマホの画面を閉じた。

近付きたいけれど怖くて躊躇ってしまう。
女友達としても自信はないし、ましてや恋愛対象としての自信なんて、それ以上にない。

恋人の存在を祝福出来ないことによって、
杏菜との関係性にヒビが入ったような感覚があって
それを払拭できずにいた。

ベッドに寝転び天井を見上げ
「はぁ〜」

出たのはため息だけでフォローする勇気は全く湧いてこない。

「ふぅ〜。」

目を閉じて考えるのは杏菜の事。

1学期教室で見た杏菜の表情ひとつひとつを思い出す。
友達とゲラゲラ笑っている姿が1番印象的。
可愛く笑う訳では無いし品はないけれど、楽しそうでその姿はこっちまで自然と笑顔になる。
初めてノーメイク(カラコンあり)で登校してきた時は驚いた。
入学式から1週間くらいはバッチリメイクだったけれど、
それからは週の半分くらいはノーメイクで登校してきていた。

初めて電話した日、杏菜の何気ないひと言が面白くて
人生で初めてあんなに笑った。
一緒に杏菜も笑ってくれて楽しかった。


…なんて考えているうちに寝てしまっていた。