浅生先生はもう恋をしないそうなので、私は今日も好きを伝える。


「セーフ!!」



教室にその声が響くのと同時に予鈴が鳴った。



「何がセーフだ、さっさと席つけ。」




すでに来ていた担任のえだちゃんー枝野先生が呆れた様子でそう言うと、クラス中に笑いが広まった。



「えへ、すみません…。」



照れ笑いを浮かべながら私は素早く一番隅の自分の席に向かった。





葉月が呆れ笑いを浮かべながらこっちを見ているのを見つけて、私も眉を下げて笑い返した。



それから席に着いて朝礼が始まった。



走ってきた私の息はもう落ち着いているはずなのに、心臓の音はまだうるさい。




なんでだろう…なんて理由はわかっている。




目線は前のえだちゃんの方に向いているのに、耳は教室の隅、後ろのドアに集中している。





ふうっ、とうるさい鼓動を落ち着けようと息をついた瞬間、教室の後ろのドアがガラッと音を立てて開いた。