浅生先生はもう恋をしないそうなので、私は今日も好きを伝える。



「席ついて〜。」



予鈴が鳴るのとともに、えだちゃんが教室に入ってきてクラス中にそう声を掛けた。


その声で我に返って、そそくさと自分の席に戻った。




今日の放課後、先生のとこに行って返事聞くしかないかな…。




まあ返事なんて分かりきってるけど、




それでも先生の口からちゃんと聞かないとこれ以上前に進めない気がする。




なんて考え事しながら前の黒板をぼーっと見つめていると、教室の後ろのドアが開く音がした。





その音に反射的にビクッと身体を反応させた。



浅生先生が教室に入ってきたんだ。



背中に緊張感が走って、思わず背筋をピンと伸ばした。



気まずさと、恥ずかしさが入り混じった感情で、私は浅生先生をなるべく視界に入れないように視線を前に固定させた。



見られているわけでもないのに、なんでか背中だけが熱を帯びて、痛い。





あー、もう、早く朝礼終わって!!




私は心の中で一生懸命に願った。