「あ。」
やっぱりそこに浅生先生はいて、ばちりと視線が合うと私は思わず声を漏らした。
やばい、目が合っちゃった。
心の準備をする暇なく交わった視線に、私は一瞬動揺しながら「あ、浅生先生!」と名前を呼んだ。
「ん?」
浅生先生は白い煙を吐き出すと、顔色ひとつ変えずにそう返した。
私は砂利道を踏みしめながら、先生の元へと近づいた。
あれ、右足出した時は右手を出すんだっけ???
それとも左手を出すんだっけ???
てかどうやって歩くんだっけ???
混乱しながら歩く私を先生は不思議そうな顔で眺めていて、その視線に油を注していないロボットみたいに余計にぎこちなくなる。
今、死ぬほどはずいんですけど!!!
やっとのことで先生の目の前に辿り着くと、手に持っていた傘を差し出した。
