浅生先生はもう恋をしないそうなので、私は今日も好きを伝える。


雨が降る夕方。




私─日向心春(ひゅうが こはる)は傘も差さずにただベンチに座っていた。




学校のすぐそばのバス停で大粒の雨に打たれながら、さっき浴びせられた言葉を頭の中で反芻させる。






『お前のこと、女としては見れないわ!』





ただの雑談の中の一言だった。




ちょっと気になっていたクラスメイトの杉本くんが私の顔を指差しながらそうゲラゲラ笑った。




途端に胸がぎゅっときつく締め付けられる。






『はは、そうなんだ……だよね!』




やっとのことで浮かべたぎこちない笑いに、周りも笑い声で溢れた。