愛する君の隣でずっと笑っていたい〜独占欲強めな俺様CEOは初恋妻を溺愛する〜

 「朝霧。見てみて⁉︎千夏のお腹の赤ちゃんがこの度無事安定期を迎えたんだ。子どもができるって良いよねー。あー早く生まれてこないかなー」

 幸せそうに感嘆の声を漏らしたて顔を綻ばせる吉田は、いつも高森の写メを撮ってはデータに保存して事あるごとに俺に見せては自慢していた
 スマホの画面を見てはニヤニヤ微笑み、見ていて気持ちが悪いと注意するが、「別にいいだろう。減るもんでもないし」と言ってニタニタした顔の綻びが消えず緩みっぱなしだ
 子どもができ、吉田に対する高森の尻の敷き用は相変わらず変わらないが、最近では少し優しい物言いになり、高森に必要とされている感も感じ取る事ができて幸せなのだそうだ

 「まあ家も可愛いけどな」
 スマホの待ち受け画面を可愛い我が子2人と愛する妻の寝顔にしている俺は自分のスマホの画面を見てクスッと微笑んだ

 「2人共顔が緩みっぱなし⁉︎見ていて気持ち悪いわよ」

 3年前、ホーリックスからヘッドハンティングした平井紗代が呆れ顔でため息をついて寄ってきた
 平井紗代が言うのも無理はない。俺たちは側から見たら気持ち悪がられるくらい顔が綻んでしまっている。俺はいけない身を引き締めねばと姿勢をビシッと正し、襟元を正した

「朝霧くん、少し大変なの⁈うちで外注をお願いしていた“アーサーデザイン“が経営難に陥ってるみたい。うちもかなりの量のデザインをお願いしてるから、今からでも引き継いでくれる外注先を当たる必要があるわ」

 平井紗代は急いで昔ホーリックスにいた人脈を使って新しい外注先を探している。平井紗代は吉田と共に俺を支えてくれる貴重な人材の1人となっていた
 あれからずっとうちで戦力として働く平井紗代は、今ではうちの役員の1人として、現場の人間を纏める役割を担っていた

 平井紗代は社員からの人望も厚く、確実に仕事をこなせる切れ者だ。今まで社長の俺と副社長の吉田は何度となく平井紗代の機転に助けられてきた

 「朝霧くん。少し提案があるんだけど、外注先をまたホーリックスに戻すって言うのはどうかな⁇ホーリックスなら元々うちの会社のデザインを受け負っていたし、外注先の中でも大手だから、今後経営難に陥る心配もないわ」

 平井紗代の言葉は一々的を射ている。俺が外注先を開拓しなければならないと考えた時、真っ先に頭に浮かんだのがホーリックスだった

 「それは俺も考えた。でも大丈夫か⁇ホーリックスは前に君が違法に接待をさせられていた曰く付きの会社だぞ⁇」

 数年前のホーリックスとの柵を考えると、ホーリックスとまた取引をする事にはまだ抵抗があった