春の寮で、きみと

「ちょっと待ってて」

そう言って長袖Tシャツの男はキッチン横の扉をノックし、開いた。

「誠さん新入生、玄関の前にいたから連れて入ったよ」
「え!そうなの?チャイム鳴らしたって?」
「んや、鳴らす前だったから」
「そっか、僕が気づかなかったのかと思ったよ」

誠さんと呼ばれた男の人は色白で眼鏡をかけていてスラッとしている、優しそうという言葉がぴったりの人だった。

「ごめんね、ここのオーナー的なのをしてます。白州誠です、よろしくね」
「…よ、よろしくお願いします」
「うん、よろしく。荷物置いてきたらとりあえず少し僕の部屋で話したいんだけどいいかな?」
「…は、はい」
「じゃあ部屋は宗介、案内してあげて」
「はーい、こっち」

さっきの長袖の男は宗介さんと言うらしい。白州さんと仲いいんだな。
宗介さんの後ろを歩きリビングを抜け2階へと上がり、階段から真正面の部屋に案内された。