春の寮で、きみと

なんてことが3ヶ月前にあって、母さんも父さんも本気で俺のことを心配してくれていたようで高校に行こうと心を決めた俺は、入学式前日の今日、これから通う高校の寮の前にいる。
父さんに着いたらチャイムを押しなさいって言われたけど、思ったより大きくて驚いている…

「あれ?新入生?」

後ろを振り向くと長袖Tシャツに半ズボンの少し寒そうな格好をした男がいた。僕より少し上くらいの人だろうか。

「…し、新入生、です」
「そんなとこで何してんの?」
「…い、今チャイムを鳴らそうと…」
「あそうなの?じゃあ一緒に入っちゃお」
「…あ」

〝ありがとうございます〟たった10文字、日常会話によく出るような言葉、なのに俺はいつも言葉に詰まってしまう。

長袖Tシャツの男の人に連れられて入り、目に入ったのは玄関と直結したとても大きなリビングだった。ソファーが2つテレビを見るようと、本を読んだり、休憩したりするようだろうか。そして真ん中にキッチンとダイニングテーブル、6人掛け?