人生の意味と価値 ①

Side:琴音 蒼音


公園の道のりは、意外と遠い。


綺麗な夜空だな。


見覚えがある。


Simejiで、夜空を投稿していたアカウント。


確か名前は────、


Kino。


『 私はいつも、作り笑い。


気づいてくれる人はいない。


だから私は、また浮かべるんだ。


偽物だらけの、張り付けた笑みを。 』


俺はなぜか、その詩のような文章に深く心を打たれた。


ただの文字に。


なんにでもないただの一投稿に。


なぜか、感動したんだ。


なにかを強く、訴えているような。


フォローボタンを押した。


フォローは返してくれなかったけど。


なんとなく、その程度の距離感が気に入った。


それからしばらく、Kinoのアカウントを見た。


Kinoがフォローしてる数が、一人だけだった。


気になってフォローしてる人を確認する。


MIE という名前。


プロフィールのところに、こう書いてあった。


『 𝐋𝐞𝐧を知ってる人、誰かいますか。


私の愛する恋人なんです。


見かけたら、教えてください。 』


プロフィールに書いているなんて、余程大事な人だったのだろうか。


────𝐋𝐞𝐧。


そういえば親父、Simeji使ってたよな。


親父のアカウントが、𝐋𝐞𝐧だったような。


やっぱり、思い出せない。


思い当たる会話は記憶にあるのだけれど。


『 見てくれないか、蒼音。 』


俺は嬉しかった。


初めて、親父から声をかけてくれた。


俺は喜んで親父のスマホを見た。


『 僕に異常に執着している子がいてね。


面白いんだ。今だに僕を探している。


消えたというのに。今頃どんな顔をしているか見てみたいよ。 』


最低だ。


酷い。


でも、口にはしなかった。


言葉にしたら、一生俺に関心をもってくれないと思うから。


俺は無理やり笑みを作った。


その時、思い出した。


Kinoも、こういう気持ちだったのだろうか。


本音を言えない。


言ったら、殺される。


怖い。


失望されるのが、幻滅されるのが。


無関心は嫌いだ。


ちゃんと見てほしい。


────俺そのものを。


親父。


俺に──。


興味ある?


そう言いたい。


でも俺は、きっと今後先も言えないだろう。


愛に飢えた俺────。


誰か、俺を関心をもってほしい。


誰でもいいから。


────俺を救えよ。


そして、俺に依存して。


それだけで、俺は満たされるから。


自己満足だって、自己中だって言われてもいい。


お願い。


神がいるなら。


────俺を幸せにして。