くわばらくわばら! 私のバディは優しくない

──シャラン、シャラン。


「蒼麻!」

「分かってる‼︎」


しかし、今回の魔の気は粘っこいというか、ねちっこいというか……

ガムみたいに刀の刃にくっついて、うまく切ることができない。


ようやく祓えたときには、蒼麻は汗だく。

最後に、私は涼しい顔で桃を投げる。


「お疲れ様」

「はあはあ。すまない。こんなことじゃ、光音のバディとして相応しくないな」


少し前の私と同じようなことを言っている。


「社長や先輩たちならもっと簡単に切れたはずなのに、俺ときたら……」

「そんなこともないと思うよ?」


可哀想な気がしてくる。

そろそろ教えてあげてもいい頃合いかもしれない。

『それ、実は稀有な能力なんだよ』と……


本当は、3カ月後に教えようと思っていた。

それは、私が悩んでいたのと同じだけの月数。


けれど、私も鬼ではない。

このあと、あのときに約束したホールケーキを買ってもらおう。

それを食べながら、話して聞かせてあげるね。

蒼麻の能力のことと、私たちがバディを組むことになった理由を──



END