くわばらくわばら! 私のバディは優しくない


神札という神札が、一斉に炎の柱と化したのだ。


容赦も何もあったものではない。

魔物は、瞬く間のうちに燃やし尽くされてしまう。

蒸発したみたいに。


「魔の気を祓ってくれたら、私が干し桃で平和的に黄泉の国へ送ってあげたのに!」


全力で抗議する。

だって、魔物に身を落とすほど、その生の終わりは過酷だったはず。

せめて冥界への旅立ちは、穏やかなものにしてあげたいじゃない??


(それなのに……)


お父さんが眉尻を下げて言う。

「無茶を言わないでくれ。うちの会社でそれができるのは蒼麻くんくらいだよ」

「ええっ⁉︎」

「だから、光音と蒼麻くんでバディを組ませたんじゃないか」

「知らない、聞いてない」

「そうだったか?」

「蒼麻には教えたの? 魔の気を切って祓えるのは貴重な能力だってこと」

「あれ? そういわれれば、教えてなかったかもなあ? でも、ほかの退魔師と3年も仕事してたんだ。言われなくても、自分で気づいてるんじゃないか?」