ケーキを食べながら、蒼麻が言う。
「この3カ月は、光音さんを危ない目に遭わせないようにってそればかり考えていましたが、そのせいで新しい能力の発現が遅れてしまったんですね」
「そっか、蒼麻は私のことを守ろうとしてくれてたんだ。私が役立たずだからじゃなかったんだね」
「まさか! 社長は、稀有な能力をもつ光音さんを、未熟な僕に預けてくれました。万一ケガでもさせてしまったら、社長に申し訳が立ちません」
なるほど、と思った。
(私たち、会話が絶対的に足りなかったんだなあ)
間違いなく、1番悪いのはお父さん。
だけど、蒼麻が私の能力について説明してくれてもよかったはず。
私から自分の悩みを相談していれば、蒼麻だってもっと早く話してくれていたのだろうか。
でもそれだって、この3カ月を思い返すと、あれだけ先輩風を吹かせていたんだから、蒼麻のほうから『困ってることや悩みはないか?』とか訊いてほしかった気もする……



