「隠れてろ」
蒼麻はそう言い捨てて、刀を抜き、駆け出す。
(どうすれば……)
周囲を見回して、隠れられそうな場所を探しながら、本当に隠れていていいのかと考える。
そうかといって、ここに突っ立っていても、私にできることはない。
なら、隠れたほうが、蒼麻に余計な心配をさせなくて済む分いいかもしれない──
逡巡している間に、蒼麻は熊と対峙していた。
先に動いたのは熊のほう。
後ろ足に力を溜め、蒼麻に向かって突進する。
蒼麻は横に跳んでそれを回避し、すかさず魔の気を切った。
それが何度も繰り返される。
けれど、切って祓うそばから、魔の気はすぐに熊の口から出てきて全身を覆ってしまう。
キリがない。
(ああ!)
ついに蒼麻が頭突きされてしまった。
バランスを崩した蒼麻に、熊が腕を振り下ろす。



