くわばらくわばら! 私のバディは優しくない


「着いたから起きて」


こんな状況下でのん気に眠っていたと思われたらしい。


(私、そこまで図太くないし!)


でも、蒼麻相手に緊張していたことがバレるよりは、ずっとマシかも。


家の前でタクシーから下りると、蒼麻が早口に状況説明をし始める。


「森宮町に熊が出没した。ハンターが5発発砲して、いずれも急所に撃ったがずなのに、びくともしなかったそうだ。熊からは腐臭がしたという証言もある」

「ゾンビ化してるってこと?」

「だろうな」

「私たちの手に負えっこない!」

「会社の退魔師全員、別の仕事で出払ってる。終わり次第、応援に来てくれることになってるから、それまで持ち堪えて、地域住民を守れればいい」


少数精鋭といえば聞こえがいいけれど、所詮小さな会社。

人材は決して豊富ではないのだ。


しかし、だからといって、インターンの大学生とバイトの高校生が任されていい仕事とは到底思えない。