休養中だから、私には関係ない。
そのはずが、つい気になってしまう。
通話相手の声は漏れてこないのに、耳を澄ませる。
「ちょうど今、光音と一緒にいまして、」
「えっ⁉︎」
(ち、ちょっと! 何言ってくれちゃってるの?)
と、そのときだった。
「お待たせいたしました」
目の前に、私のチョコレートパフェが置かれた。
伝票がアクリル製の伝票立てに入れられる。
「……ええ、光音とともに向かいます」
奈々子と亜里沙のテーブルにもスイーツが運ばれた。
「ご注文は以上でよろしいですか?」
ふたり揃って『はーい』と返事をする。
蒼麻がスマホを仕舞いながら、私の目を見て言う。
「そういうことですので」
「いやいやいや、『そういうこと』って言われても、全然分からないから。それに、何勝手に返事してるの? 私、休養中なんだけど?」
蒼麻は答えずに立ち上がり、伝票を抜き取った。
ついでに奈々子と亜里沙の伝票も取りに行く。



