蒼麻は飲んでいたカップを下ろして、私を見た。
「ペアっていったって、実際には蒼麻だけが仕事してるじゃない? 自分が嫌なの。何にもできないから」
「『何にも』って、桃の力で魔物を黄泉の国に送っているじゃないですか」
「あんな……誰にでもできることをしてるだけで」
「誰にでもできるはずがないでしょう。さっきから何を仰っているんですか?」
「誰だってできるよ。だって、桃を投げて鈴を鳴らすだけだよ? 蒼麻のほうこそ、何言ってるの?」
私たちは互いを見合った。
何かがおかしい。
(認識に齟齬がある??)
──ブブブブブ……
蒼麻のスマホに着信だ。
会社から支給された仕事用とプライベート用の2台持っているが、あれは仕事用のほう。
「はい……はい……了解です」



