女の子がこちらに向いて、顔をサンサンで隠しながら、
「陽子って書いて、ひなこ」
と自己紹介してくれた。
「陽子ちゃん!サンサン好きなの?」
彼女は頷いた。
目は合わせてくれない。
「とりあえず、昼食お!」
「勝手に決めんなコラ」
と湊に言われるが、気にしない。
陽子ちゃんは小さい口でパクパクおにぎりを食べていて可愛い。
目は伏せている。
僕と目は合わせてくれない。
男が苦手?
だとしたら、湊は?
幼馴染だから例外ってことか。
…じゃあ僕は最初から恋愛対象になれないってこと?!
「陽子ちゃん、ひとつ聞いていい?」
頷いた。
「僕のこと、好きになる可能性ある…?」
陽子ちゃんが、初めてやっと僕の方を見てくれた。
「…サンサンより好きになることない。どうせ私のこと、めんどくさくなっていなくなるんだよ。人間なんて」
過去に何があったかは知らない。
だけど、その目に光は宿っていなかった。
僕の周りには光しか無いと思っていた。
初めて闇を見た気がした。
「村田、あんまり陽子に関わるな」
「ライバル心?」
「ちげぇよ。傷付くだけだから」
「陽子ちゃんが?」



