持ち歩きサンサンがいないから、ひなちは大人しい。
感情が見えない。
だけど、整理券がくしゃくしゃになるくらいぎゅっと握っている。
口元に微笑みは少し見える。
嬉しい、なのかな?
11時になる少し前、整理券順に並ぶ。
「サンサンっ!サンサンっ!」
周りにいる子どもよりはしゃぎ気味だ。
「皆様!お越しいただきありがとうございます!さて、サンサンは来てくれるかなぁ?まだねんねしてるかな?皆で呼んでみよう!」
「サンサン!」
「あれぇ?来ないなぁ…もう一度呼んでみよう!」
「サンサン!」
すると、サンタ帽を被ったサンサンが、ゆらゆらとしながら出てくる。
「サンサンおはよう!お!今日は、クリスマスだから帽子被って来たのかな?可愛いね!さあ!まずは、こちらにファンサしよう!」
こちらから見て左側に手を振ってくる。
次に真ん中、最後に右側に手を振る。
どこにファンサしようが関係なく、ひなちは連写していた。
「1組ずつお写真の前に、私とじゃんけんでグッズゲットのチャンスです!」
ひなちの目は輝いた。
僕も頑張ってみますか!



