いつか交わした約束

「おい、走れ、瞬次。今日部活休みやったとやろーが」

また、始まった。毎日父親から言われる、走れ、という言葉は毎回のように瞬次を苦しめる。

「わかっとるし。言われんでも後で走りに行くってば」

バリバリの九州訛りに瞬次が多くの時間をここで過ごしたことがわかる。

「そんなんじゃいつまでたってもあいつに勝てん」

あいつ、とは。

「、、、風青のことかよ?」

田辺風青。瞬時と同じ中学2年で、瞬次の暮らす市からは3つ4つ離れたところに住んでいる。

そして、同じなのは学年だけなのではない。陸上部に所属し、長距離を走り、大会記録を毎回のように塗り替えるところも同じだ。

「そうだ。勝ちたいとやろ?あいつに」

勝ちたい、とは毎回のように思う。だがしかし、

「、、、俺は風青には勝てねーよ」