さよなら、未来を生きる君へ


美容が好きで自分磨きに力を入れていて、その綺麗で可愛らしい容姿に通りすがりの男は2度見するほど。

好きなアニメを見てはテンションが高くなったり、ときには静かに涙を流したりして、隣にいる俺はアニメよりも彼女のほうが気になってしまうほど紗凪には魅力的なところがたくさんある。

鼻歌を歌いながら掃除したり、ときに手の込んだ料理を作るのに弁当は冷凍食品を詰め込んで簡単に済ませたり、仕事で疲れて帰ってきてはソファで寝てしまったり、朝が苦手でポヤポヤ顔で気の抜けた挨拶をする彼女にも見慣れたもんだ。

紗凪は俺のことをただの仲の良い従兄弟としか思ってみないようだけど、俺としては目が離せない1人の女性として見ていることに紗凪は気付いていない。

気付かないどころかあの男のことが気になるようだ。

俺がどれだけ理性を我慢しているか知らないくせに。

「來生くんはそんなことしない。だから、招いたの。來生くんが一緒にいてくれると安心するんだもん。それに警察官だから私になにか遭った時には守ってくれるでしょ」

やわらかい笑みとともにまっすぐに向けられる視線から思わず顔を背けた。

これまで何度も思ったけれど、紗凪は現実から逃げては都合のいいように捉えている。

だから、あえて本当の現実を突きつけた。